大河ドラマ 鎌倉殿の13人 第15回 「足固めの儀式」
この回は、前から期待していました
台本を渡された役者さんがそろって、
すさまじい回だ、前半の山場だ、最終回と同じくらいのエネルギー、と
ほめそやしましたので
私も気合を入れて、テレビの前にクッションを用意して
集中モードで見始めました
そもそも、前回の段階で
木曽義仲と、源氏の棟梁をめぐって争おうとする頼朝に
坂東武者達が、自分たちとは無縁の争いだから
そんなもののために戦うのは嫌だとブーイング
鎌倉が、頼朝派と、反頼朝派に真っ二つ
ほとんどの御家人が反頼朝派に入っており
上総介が反頼朝派に着けば、頼朝派には勝ち目はない
上総介は、心情的に頼朝寄りです
ですが、ここは反頼朝派を引っ掻き回すために
あえて、反頼朝派に入ってくれと、主人公・義時が頼みに行く
第15回は、そこからスタートです
都にいる義仲は、後白河法皇をとらえて、対決ムード
先遣隊として派遣された義経は、戦ができるのでワクワクモード
反頼朝派も作戦を練り上げてきます
適当な儀式をでっちあげて
頼朝の息子と政子を鶴丘八幡宮に呼び出し
そこに兵を送って身柄をとらえる
兵を集める口実は、鹿狩りにしよう
頼朝を追放した後は、義仲の息子に棟梁になってもらおう
ですが、義仲の息子に頼みに行ったところ
「考えておく」という煮え切らない返事
オマケに、やはり頼朝に逆らうのは、と
二の足を踏んで、仮病を使ってこっそり逃げる者もおり
どうにも統制が取れません
反頼朝陣営も、いい加減にトホホなのですが
頼朝のほうのトホホぶりも負けず劣らずです
最初にスパイに送り込んだ梶原景時は
頼朝方に報告に帰ろうとしたところを取り押さえられ
体育会・和田に危うく斬られそうになったところを
ハードボイルド・上総介の
「こいつも坂東武者だろう」の一言で命だけは助かったものの
地下らしき牢屋に放り込まれます
スパイ第二号として不穏な動きがないかどうか探りに来た比企は
あっさり寝返る無能ぶり
しかも、反頼朝派から、鎧をつけておいた方がいいぞ、と脅されると
本当に衣の下に鎧をつけて、頼朝の元に帰るのですが
動くたびに、ジャラジャラと音がするので
ごまかすこともできません
頼朝陣営でも、おそらく本当に頼りになるのは
主人公・義時と、陰謀家・大江広元くらいでしょう
ただ、イアーゴ・景時は牢の中から
クリーン・畠山に揺さぶりをかけます
この反乱はうまくいかないから、おぬしだけでも逃げた方が良い、と言われ
畠山はかなりの動揺を見せます
……この人は、自分たちの状況が見えています
一歩引いたような、客観的なタイプなので
激情で突っ走ったりしません
いつも涼しい顔をしているタイプです……
とはいえ、景時も畠山も、以前は反頼朝の大庭の軍勢に加わっていました
今度裏切ると、二度目になります
それを気にする畠山に、イアーゴ・景時が策を授けます
いよいよ、反頼朝のクーデターの決行の日です
鶴丘八幡宮に、頼朝の息子と政子を捕らえに行こうとすると
頼朝から送り込まれてきた上総介が、少人数で行け、と
声をかけます
適当な理由を言うのですが
一同、納得して少数精鋭で出立するのですが
鶴丘八幡宮での確保は失敗、というよりも
そこに派遣された体育会・和田が
あっさりと、頼朝派になってしまいます
最初は、主人公・義時が
初心を思い出せ、どうして頼朝に着いたのか
坂東武者の国をつくるという理想を忘れたのか、と
叫ぶように説得します
……ですが、まだまだですね
その理想が、上手くいかなかった
頼朝か坂東武者のためではなく、
源氏という、自分だけのために動いている
だから、首を挿げ替えようと思ったわけですから……
ダマされるな、と叫んで
この理屈を述べるのが、一緒に来ていたクリーン・畠山です
確かに、理屈は畠山の方があっています
なのに、体育会・和田が主人公・義時に向って叫んだのは
「納得した!!」の一言
これで、頼朝の息子確保作戦は終了です
そのあとで、クリーン畠山が、主人公・義時にぼそりというのが
和田は、自分が嫌いだから、自分が言えば逆張りに出る
だから、心にもないことを言った
やはり、上手く運んだようだ
……えっ、と思いました
こういう小細工は、イアーゴ・景時に
教えてもらったのでしょう
牢の中にいても、人の心を動かして、操る
そういえば、「羊たちの沈黙」のレクター博士の得意技でしたね……
あっさり失敗したクーデターでしたが
この〆は、頼朝から派遣されてきた
ハードボイルド・上総介が
そうと決まれば、解散だ、と終了宣言を出して
一件落着
結局、上総介が頼朝側の工作員だったことも
誰にもバレずに、上手くまとまりました
頼朝も、クーデター派にはおとがめなし、と
一件、ハッピーエンドで終わったように見えたのですが
ここで終われば、いわゆる「神回」扱いはされませんでした
問題は、ここからです
頼朝と上総介は、一緒に酒を酌み交わし
親しく話しています
上総介は頼朝を勝手な男、御家人は使い捨て
でも、そこがいい
それが頼朝なのだから、そのままでいい、と
なんだか、こそばゆいような、少女漫画だったら
決めのセリフになりそうなことまで言い出します
これが、ハードボイルド・上総介の友情の形なのでしょう
……きれい、といえば、きれいかもしれません
ですが、世の中には自分とは違うタイプがいること
人の数だけ理想の数もある、それがわからないと
世の中では、必ず痛い目を見るようになっている、というのが
50年生きてきて、私の持っている処世術です
特に、ハードボイルド系や、理想主義系は
「キレイに生きていきたい」という部分がある分だけ
「なりふりかまわない」相手よりは弱みがあります
その自覚がないと、あっさり食い物にされます
なので、私はいったん、「この人はなりふり構わない系だ」と思ったら
絶対に近寄らないようにしています
上総介の甘さは、ここです
源氏のことしか考えていない
御家人などは使い捨て、とわかっていながら
自分だけは特別、自分とは友情でつながっているから、と
思うところが、甘いのです
そして、私のモットーはもう一つ
この世では、悪い人間に悪の罰は下らないことの方が多いけれど
愚かさに対しては、どんな小さな愚かさに対してでも
きっちりと罰が下る、ということです
そして、このドラマは妙にリアルで
時代劇とはいえ、現代と同じように、
リアルに人間が描かれています
頼朝を信じた、この時点で
すでに、ハードボイルド・上総介の命運は尽きています……
翌日、頼朝派のメンバーが集まって
一件落着したクーデターのことを話していると
一人くらいは、見せしめが必要だろう、ということになります
主人公・義時は強く反対するのですが
大江広元と頼朝は、誰にするかまで決めていました
上総介です
もちろん、上総介が謀反に加わっていないこと
主人公・義時の頼みで、加わったふりをして、引っ掻き回して
失敗するように立ちまわっていたことも知っています
知っていながら
謀反人の濡れ衣を着せて、殺してしまおう、というわけです
上総介が頼朝派だったことは誰にも知られていませんから
上手く働いてくれたことも、頼朝にとっては好都合でした
しかも、最初からこれが目的で
上総介をクーデター派に送り込んだことに気づき
主人公・義時は愕然とします
……確かに、上総介は強すぎました
しかも、最初に参陣した時には、自分の持つ2万の軍勢を率い
武力を誇示した、という過去があります
頼朝にとっては、最初から「除くべき相手」でした
上総介はどうやれば生き残れたのか
おそらく、頼朝よりも力があるのに、頼朝に従った
その時点で、いずれは殺されることが確定していたと思います
頼朝は、一族以外は信用できない、と何度も言っていますから
おそらく、隠居して鎌倉から引っ込んだところで
目こぼしはしてくれなかったことでしょう
そのうえ、誰よりも広い領地を持っていますから
上総介を殺しさえすれば、領地を奪って、家臣に分け与えることができる
頼朝についていれば、土地がもらえる
そのうえ、平家を倒せば、もっともらえる、という
実利を刺激することができます
おそらく、上総介が生き残れる方法は
中立を保って、源平のどちらにもつかず
奥州藤原氏と同盟でも組んで、第三勢力を目指すこと
くらいだったのではないかと思います……
見せしめは、インパクトのある方が効果的
犠牲者が上総介という点で、インパクとは大きいのですが
それが、クーデターをたくらんだ一同を集めた席なら
ますますショックは大きくなります
下手人には、イアーゴ・景時が指名されます
クーデター派につかまって、牢に入れられて
消息不明になっていたのを、クーデター派ではないかと
「大江広元」が疑っているから、という理由ですが
さすがの景時も、上総介を殺すのはためらいがある
双六をやって、さいがどう出るかで、最終の判断をする、と言います
上総介は、双六に負け、景時はコマを放り投げると同時に、
上総介に斬りつけます
この先の演技は、圧巻でした
わけのわからない表情、
景時の、上総介は頼朝に反乱を起こした大悪人、という口上を聞き
義時の名を呼び、近寄るけれど
ただうつむいて泣くだけで、立ち上がろうともしない義時を見て
武衛、武衛と頼朝を呼び、すがる
……武衛、というのは、もともとは「将軍」という意味
まだ頼朝が「鎌倉殿」になる前
「介殿」という敬称で呼ぶのは嫌だ、と言っていた上総介に
「武衛」というのは「仲間」いう意味ですよ、とウソを教えたところ
上総介がすっかり気に入ってしまい
今の感覚で言えば「ダチ公」とでもいうような感じで
頼朝のことを読んでいた呼び名でした……
それでも、頼朝は上総介ではなく、主人公・義時を見て
来るならおまえも斬る、とだけ言います
だまされたとわかった上総介は
怒るかと思いました
以前、自分が首をうった敗軍の将・大庭に
頼朝に力を貸して、生かしておいたことを後悔することになるぞ、と
暗い預言をされたことを思い出すか、とも思いました
ですが、上総介は
義時に向って、どこか困ったような、あいまいな微笑を浮かべて
死んでいきます
頼朝の、自分に逆らう者は許さぬ
上総介の所領を分け与える、西にはもっと多くの所領がある、という宣言
廊下には、上総介の死体
まさに、鎌倉の足固めの儀式でした
そして、後日
上総介の館から、一枚の書状が見つかりました
今後三年でやることを上総介が書いていた
読み書きができなかったのを
いずれ、京に行くとき、バカにされないようにと
独学で勉強していた
子供のような文字、稚拙な文章で書かれていたのは
田や流鏑馬を寄進する
鎌倉殿の大願成就と東国の太平のため
画面には、床に紙を広げて
必死で文字を書く、上総介の姿が映し出されています
純粋で、気持ちのいい男でした
おそらく、御家人の中で、一番純粋に頼朝に友情を感じていた
けれども、力がありすぎて
幕府のためには、生かしておけない男でした
頼朝は、あれは謀反人だ、と吐き捨て
書状をぐしゃぐしゃに丸めて捨てますが
確かに、それ以外は言えないでしょう
上総介を殺したのは、悪い奴だからではなく
力があったから、ただそれだけでし
殺さないという選択肢は、ありませんでしたから
どうにもやりきれない主人公・義時ですが
わずかな救いは、八重との間に男の子が生まれたことです
ただ、その赤ちゃんの泣き声が
聞き方によっては、武衛、と聞こえました
時期的にも、上総介の生まれ変わりか、と思わせるような
鳴き声で、今回は終了です
確かに、「神回」でした
上総介役の佐藤浩一サンだけでなく
頼朝役の、大泉洋サンも、実に見事でした
見終えた後、しばらく呆然としていたくらいです
土曜日の再放送は、録画して永久保存版にしようと思っています
さて、今日の支出ですが
久々に、フライドチキンなどを買ってきました
今日の支出は、それだけです
支出
消費 (チキン) 1260円
残額(4月27日まで)
消費 9790円
コロナ支援費 2000円
(キャリーオーバー 6000円)
投資 2500円
予備費 4000円
家管理費積み立て 2千円
貯金総額
プール貯金 25646円
自分小遣い 3799円
病院用予備費 39万円
家管理費積み立て 6万0千円
定年後用貯蓄 447万5千円
目標残額 1565万5千円